料理のハードルを低くする料理研究家 yukari
~ Cooking Hardle More Lower ~

<郷土料理>千葉しのぶ先生が教えてくれた「たいせつなこと」

本日もご訪問頂きありがとうございます。
先日の盛りだくさんの農泊のコト。第2部として、
「千葉しのぶさんが教えてくれた”たいせつなこと”」を自分の覚え書きも兼ねて
お伝えしたいと思います。

千葉しのぶさんは管理栄養士で、鹿児島女子短期大学で准教授として教員を養成されておられた方であり、
地域に根差した食育活動を展開するために
平成16年に鹿児島県霧島市で霧島食育研究会を設立され、理事長となられ、
令和2年には『千葉しのぶ鹿児島食文化スタジオ』設立、
「かごしま郷土料理マイスター講座」を主宰され、全国の多くの方々に講演会やセミナーを通じて
鹿児島県に伝わる郷土料理を伝え続けておられる方です。

千葉しのぶ先生プロフィール

今回、本田節さんを通じて、ご縁あって千葉しのぶ先生の講座を球磨郡あさぎり町にある「リュウキンカの郷」で
貴重なお話を聴くことができました。

「日本人が100人の村だったら。」を例に出され、私達へ問いかけられました。
そのうち種を撒き育てる人は?
船を出し、魚を獲る人は?
今の食事情は輸入に頼っており、1人が作ったものを99人が食べつくすのが現状と聴き考えさせられました。

「子供や孫の食べるものを守っていくのは私達の選択にかかっている。」
「親が食の大切さを子供たちに伝えていない。」と仰っててその通りだと思いました。

「食事を作ることがめんどくさい。」
そう思われる方はどれくらいいるでしょう。と千葉しのぶ先生は私達に問いかけます。

私もそのひとりだわ、と思いました。
仕事から帰ってきて、できるだけラクしたい。たまに総菜で済ますこともあります。なんなら冷凍もので済ますことも。
千葉しのぶ先生は続けます。「約、〇〇%のお母様がこの悩みを抱えておられる」のだと。
このことを初めて知り、驚きとともに自分だけではなかったんだと少しほっとしました。
(この数字はあえて伏せておきます)

でも、この「めんどくさい」という想いが原因で、レトルトで済ます毎日を続けていて
果たして子供たちには食の大切さを私達は伝えているのか?

だからこそ、季節ごとの「そこにあるもので」食べることの重要性を伝える必要があるのだと。
それが九州と大阪ではまた違う。それはその土地で収穫できるものが違う、
つまりその土地の文化や風土、食材、各家庭で培った知恵も違う。
そんなことを伝えながら、
子供たちや次世代に食べものを通じて「食べることの大切さ」を伝えていく必要があることを教えて頂きました。

千葉しのぶ先生はその家庭の味、家庭の知恵を「宝」として、学び伝えていく活動を
体験プログラムいう形で「かごしま郷土料理マイスター講座」の仕組みを作られ、
鹿児島の郷土料理の奥深さ、素晴らしさを多くの生徒さん達に伝え続けておられます。

生徒さん自ら学びの体験を通じて、マイスターから師範までのコースを目に見える化し、
やりがいを見いだせる仕組みづくりを作られています。
講座に参加するごとにシールを貼っていくことをスタートとして、チャレンジでき、向上心が湧きます。
そしてかごしま郷土料理マイスターとなれば屋久杉でできた盾を頂き、その盾をお店に置くことで
お店で、習得したメニューの提供ができ、信頼度も向上する効果も期待できます。


さらには師範までいくと大島紬でできた認定証まで頂けます。


これは郷土料理を学んでも学び続けたい、という生徒さん達の声に寄り添ったもので、
受講する側にとっても、学んだことを自信の証として宝にしていける仕組みがとても素晴らしいと思いました。

私は教室に通い、直接先生から受講することは叶いませんが、
先生が出版された、『はじめての郷土料理』のお料理の本を購入させて頂きました。

 

この本の素晴らしいところは、食材の切り方や量をとてもわかりやすく書いてくださっているところです。
そしてどの郷土料理もとても美味しそうで、作る側の目線で書いてくださっているところ。
管理栄養士である先生の知識だけでなく、優しいお人柄が伝わってくる1冊です。

千葉しのぶ先生が仰る「レシピのない料理」。
”そこにあるもので、作る。
手の感覚で伝えていく。
その食べる人が喜ぶように、食べやすいように、そんなことを考えながら作る、
それぞれの家庭のそれぞれの料理。それにはひとりひとりのドラマがある。”

私達が自分の母や叔母さん、人吉のお母さん達に作ってもらった、”おふくろの味”は
思い返せばそんな「レシピのない料理」ばかりだと気づきました。

「腹持ちがするように」
「疲れが吹き飛ぶように」

私達が日頃作っている料理は、人のことを想って作る料理なんだと改めて気づかされました。

それが、私達が子供たちへこれからも伝えていくべき「大切なこと」であり、
「食育」であることを、改めて千葉しのぶ先生は教えて頂きました。
郷土料理は、その人、その人のひとりひとりのドラマによってつくられることも。

これからも、「千葉しのぶ先生に教えて頂いた大切なこと」を胸に刻んで
「ご飯づくりがめんどくさい」と言わず、あるもので子供たちにご飯を作ろうと思いました。

千葉しのぶ先生、たくさんの学びをありがとうございました。

そして、このご縁を繋いでくださった本田節さん、ありがとうございました。


 

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